こんにちは、とろです。
あなたは犬派ですか? 猫派ですか?
そう聞かれた時の私の答えは、「どちらでもない」でした。どちらが好きという次元ではなく、怖い存在だったからです。
犬が怖かった理由
私が子供のころ、父親から「犬は畜生だから急に噛んでくる」、「向かってきたら目をグッと睨んでやれ」そう教えられてきた。犬が好きでも嫌いでもなく、怖くもなかった子供にそんなことを何回も言い聞かせた父のことを、どうしてそこまで犬を嫌うのだろうかと疑問に思いながらも、半分聞き流していた。
ある日の夕方、友人宅で遊んだ帰り道、空き地に野良犬がいるのを見付けた。真っ黒で少し大きな犬だった。近寄ってきたらイヤだなー。そのまま道を進むか、空き地を避けて遠回りするか迷ったが、そのまま進むことにした。
するとイヤな予感が的中し、野良犬がこっちへ寄ってくる。おそらく好奇心で寄って来ただけだったと思うが、当時の私にはそこまで考えられず、父の言葉が頭を駆け巡り、怖くなって走り出してしまった。「逃げたら足を噛まれるぞ」という父親の教えも頭をよぎり、走りながら必死に後ろを振り返り、野良犬の目を睨み付けた。どんな顔で睨んでいたのだろうか。途中から後ろは振り返らずに必死で家まで走った。どこまで野良犬が追いかけてきたのか定かではないが、家に着いた時にはもう野良犬の姿は無かった。ふぅー、嚙まれなくてよかったと胸をなでおろし、何事もなかったように家へと入った。
その日の晩、布団に入ってからもこの出来事が頭から離れず、急に恐怖に襲われた。2階の部屋で寝ていたが、1階へ降りて母親にその日の出来事を打ち明けたことを覚えている。
この経験が強烈に残っていて、犬に追いかけられた=噛んでくる=噛まれたら痛い=犬は怖い というイメージが出来上がり、大人になってからも子犬でさえも怖いと感じてしまうようになった。
その当時、犬と目を合わせることが敵意を表しているとは、知る由もなく、あれから犬との関りを断ってきた私がその事実を知ったのは、30有余年経ってからのことである。
私にとってペットとは
私が子供の頃、自宅では鳥をよく飼っていた。十姉妹、カナリヤ、手乗り文鳥などだ。特に手乗り文鳥はよく人に慣れ、呼べば飛んできてくれるのでかわいかった。ある冬の日、手乗り文鳥のヒナ鳥を1羽買いにペットショップへ行ったのだが、ヒナ鳥は体を寄せ合って暖を取るので1羽では死んでしまうからと5羽サービスしてくれて6羽を育てることになった。
飛ばないうちは何とかなったが、飛び始めると収拾がつかないくらい自由気ままに動き回って大変だったことを覚えている。私にとってペットといえば手乗り文鳥であった。
家族の希望
私も大人になって、家族で鴨川沿いを散歩していると、うさぎを散歩している人を見かけた。初めて見たうさぎの散歩がとてもかわいらしく、うさぎを飼ってみたくなった。早速、うさぎの品種などを調べ、ネザーランドドワーフかローランドロップか、どちらを飼おうか迷っていた。何店かショップを見て回り、黒のネザーランドを飼う直前まで気持ちが固まってきた。
しかし、急に家のことが忙しくなり、うさぎのことを考える余裕が無くなってしまった。黒のネザーランドは、もう家族が決まってしまったんだろうとトーンダウン。
しばらくして、犬を飼いたいと子供が言い出した。妻の実家でラブラドールレトリバーを飼っており、子供は大きな犬でもへっちゃらである。私が犬が怖いことを知っているのでなかなか言い出せなく、犬がダメならうさぎでも飼ってみたいという思いだったようだ。子供の本心が分かり、叶えてやりたいと思ったが、犬を飼うとなれば家族全員でお世話をしていくものだと思っていた。犬を飼うかどうかは私の返事次第であった。
犬を飼うメリット
犬を飼うことは子供の情操教育によいと言われている。そのメリットを知ると子供のためにぜひ犬を飼ってやりたいという思いになる。次のような効果が期待できるのだ。
加えて、期待できる効果は子供だけではない。ペットと見つめ合うことでオキシトシンという幸せホルモンが分泌されるのだという。科学的にも証明されている話で、犬による癒し、犬セラピーといった言葉もよく聞かれる。なんと私の幸福感も増すというのはとても魅力的に感じられてきた。
犬を飼う決心
子供の希望は柴犬とのこと。中型犬なのでけっこう大きく私の手には負えないのではないか。人気のチワワやトイプードルなら小さくて何とかなりそうな気もするのだが。
そんな時、豆柴という比較的小さな柴犬がいることを知り、早速ブリーダーさんを訪ねた。普通は子犬探しで訪問するのだろうが、私が見たいのは親犬だ。どれほどの大きさなのだろうか。しばらくして、オーナーが両脇に1匹ずつ抱えて部屋へ入って来た。
えっ、これで親犬ですか? 拍子抜けするくらい小さく感じた。これならいける。 イメージしていた柴犬の半分くらいの大きさで、直感で何とかなると思えた。私の思いが固まった瞬間であった。
そんな私の感情の変化を感じ取ったのか、オーナーが豆柴の赤ちゃんを連れてきてくれた。手を消毒して抱っこさせてもらった。まだ本当に赤ちゃんなので寝ているだけで動かない。なんともかわいらしく、怖いという感情は抱かなかった。
豆柴探し
豆柴で決まりだ。まずは情報を集め、どこでどんな子犬を迎え入れたらよいか調べていく。豆柴探しで重要なことをまとめておく。
つまり、豆柴サイズの柴犬を迎え入れるには、親犬3代に渡って豆柴サイズだった子犬を探せば、その子も豆柴サイズの可能性が高いということだ。やはりお店選びが重要だ。
子供の希望は黒柴の女の子。毛色の割合は赤柴8割、黒柴1割、白柴1割、極まれに胡麻柴が産まれるのだという。黒柴1割でかつ女の子かつ豆柴となるとなかなか見つからない。毎週末、お店と子犬を探し、ココだというお店を見つけた。親犬にも会えるし血統書もある。しかし、黒豆柴の女の子はいないので、しばらく待つことにした。
正直、私は見慣れた赤柴がよかった。黒柴のくっきりと色分けされた顔が歌舞伎役者のようで、くどさを感じていたのだ。あくまでも子供が納得する子犬を迎え入れたらいいと考えていた。そんなある日、赤豆柴の女の子で立ち姿がキリリと素敵な子を見つけた。くりんとしたしっぽがかわいらしい。その子を抱っこしたら子供も気に入って、一気に話が決まった。
子犬販売は生後8週間は禁止されているため、それまでは連れて帰れないが、いよいよ私も犬を飼うことになったのだ。
犬が怖かった私が、これを乗り越えて犬を飼う決心ができた訳を振り返ってみる。
あとがき
豆柴ももを迎え入れて、はや4年半が経ちました。体重5.8kgで豆柴サイズです。私が出来るお世話は少しずつ増えていますが、まだできないこともあります。それでも犬って素晴らしいと気付かせてくれた家族と豆柴ももに感謝しています。ブログで柴犬暮らしを紹介していきますので応援してください。そして、犬が怖い人、ぜひ殻を破って、1歩を踏み出してください。暮らしが豊かになりますよ。
ももを実家の父に会わせたら、びっくりするくらいのかわいがり様で、私は開いた口が塞がらずでした。でも、とても微笑ましく思えました。
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